昨今「Slack」や「Chatwork」等のビジネスチャットツールなどを社内外のコミュニケーション手段として使われているケースもありますが、企業間のコミュニケーションツールとしてメールが使われている場面は未だ多いかと思います。メールアドレスとネットワークが繋がる環境があれば、各サービスに登録する必要もなくメッセージが送れるオープンな仕組みはメールのみです。メールは複数先への送信や、メーラーの機能としてフォルダ分け、ファイルを添付出来たりとメリットもありますので、未だに幅広いシチュエーションで使用されているはずです。ですがオープンな仕組みであるがために、メールアドレスを悪用してウィルス感染を狙われる可能性もあります。その為、メールアドレス提供元のプロバイダやメーラーは怪しいと判断したメールは受信箱に届く前に防いでしまう機能があり、メールが受信ボックスに届く前に弾かれてしまうということもあります。これまで届いていたメールも、セキュリティアップデートの影響である日を境に届かなくなってしまうこともあるため、送信側もメールを到達させるために対策が必要になってきているのが現状です。メールの未到達は取引にトラブルが生じたり、機会損失に繋がるのでなるべく防ぎたいものです。 そこで今回は、メール到達率を上げるための対策をご紹介したいとしたいと思いますが、その前に3つ全てに関わる「レピュテーション」について解説します。 レピュテーションとはレピュテーションとは英語で翻訳すると「評価」という意味の単語です。IPを元に過去の振る舞いがスコア化されており、こちらのスコアは各プロバイダや第三者機関が決定しています。プロバイダはメールを中継する際に、送信元のレピュテーションスコアを見てスパムメールの可能性があるかをフィルターしています。スコアの基準値は公表されると悪意のあるメールを送信する側から対策を講じられる可能性があるため、基本的にプロバイダはこの基準値を公開していません。上記のように基準値は公表されておりませんが、一般的にレピュテーションを下げる行為というのは スパムレポートをされるメール送信量の急な増減がある使われていないメールへ送信しているスパムメールに似ているメール内容を送信している などがよく挙げられます。またGmailやOutlookには「迷惑メールを報告」機能などがありますが、受信者に不必要なものだと報告をされた場合もレピュテーションが下がると言われています。このようにレピュテーションとメールは非常に関わりのあるもので、レピュテーションを信頼性のあるスコアを保ち、メールの到達率を向上させるには以下を行うことが重要です。 送信元情報の証明を行う送信元ドメインに対して認証行う「SPF」や「DKIM」など送信元が詐称されていない保証を行う仕組みを設定する。 存在するメールかを確認する存在しないメールアドレスにメールを送ったり、バウンス(送信先のメールボックスの容量が原因で受信できないなどが原因で帰ってくること)の数もスコアに影響するため、一斉に配信する際にはメールリストの見直しなどを行って、バウンスメールの数を減らす必要があります。 メール配信内容の見直しプロバイダのメールフィルタリングシステムの中に「内容や件名が空である」などのスパムと疑わしい内容のメールはスパム判定をもらうことがあります。実際にGmailではいずれかが空であるメールは迷惑メールと判断されます。またメール内容に含まれるURLも判断基準とされることがあり、短縮URLを送信する場合は注意が必要となります。 まとめ以上メール到達率を上げるために行ったほうが良いと言われる3つをご紹介しました。最初にもお伝えしましたが、メールはオープンな仕組みでやり取りが成立しており、メリットも多くありますがその分のデメリットがあります。また受信側の問題でメールが受信出来ないということも可能性として考えなければなりません。ユーザー間で共有するためのデータをデータベースに送信し双方が参照するようなチャットツールと違い、メールの場合はサーバー間の通信がありその行き来を担保する為に工面が必要になります。